この家の主人
この家の主人はよく本を買ってくる。
その本が家中にあふれ出す。
家族は眉をひそめているが、
本人は全然気づいていない。
吾輩の知っている限りでは、
本を買ってはくるが「読まない」。
本を買ってくると、
適当に本の山の上に置いておく。
知らないうちに、本がどんどん積み重なる。
思い出したように本を読もうとすると、
本を掻き分け掻き分け、大仕事になる。
結局・・本を見つけたことに満足して、
また積んでおく。
この家の主人を見るに、人間などというのは、
どうせろくなものではあるまい。
それよりも目下の重大事は寝ることである。
我が輩はよく眠る。眠ることも仕事だと心得ている。
猫だから仕事はしていないが・・
「よく寝るわねぇ~」と奥さんはあきれたように言う。
寝る子=猫という説もあるくらいだから、
驚くには当たらない。
物の本によれば、一日に15時間は寝ていると書いてある。
まさかそんなには、寝ていないと思うが・・そうなのかしら
少し心配になってきた。
日中はベランダに面した廊下がお気に入りだ。
夜はリビングのテーブル下が定位置だ。
こn
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